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生徒会長が性暴力加害で辞職。声を上げた被害者たち〜カナダからの視点①〜

海外の性暴力に関する情報を、海外大に通っている学生が発信する企画「海外からの視点」!待望の第二弾公開です。

今回は、カナダのマギル大学在学の綱島さんからの報告です。

出所: US News

みなさん、はじめまして。綱島莉理です。

まずは、軽く自己紹介を。

私は今、カナダ・モントリオールにあるマギル大学に通っている3年生で、国際開発学を専攻としています。

生まれた時から、中学生までは東京に住んでいましたが、高校進学するにあたり、シンガポールへ留学しました。

今私の住んでいるカナダは、多様性で知られており、移民や難民受け入れも積極的に行い、LGBTも広く認められており、首相のトルドーさんになって発表された閣僚メンバーは、男女の数が同じだったそうです。”Because it’s 2015.” 素敵ですね。

そんなカナダにあるマギル大学はインターナショナル生が20%を超えていて、多様性のある、国際的な大学だと思っています。そのためか、このような性暴力問題やメンタルヘルスなどのサポートも充実しているな、と感じています。

私がジェンダー問題に興味を持ったきっかけ。

私の母親がもともとキャリアウーマン(差別用語になってしまうのでしょうか?)みたいな人で(幼い頃は意識もしたことがなかったけれど)、女性もフルタイムで働き自立していくというメンタリティーの環境で育ったため、それが当たり前だと思っていました。しかし、成長していく中で、どうしても女性は男性に様々な視点から“劣っている”という認識があることを知りました。母親であり、また女性として社会で活躍する母を近くでみて育ち、“女性だから〇〇できない、男性に比べて〇〇”など、女性が目の当たりにする不平等や今の日本の社会にある男女の差に対して問題意識を感じました。

海外に住んでいることを生かし、まずは海外大学での性暴力に対する取り組みを少しずつ発信して、認識を広めてみることで、日本の女子大学生にも微量ながら力になり、何らかの変化の機会を与えられればと思い、今回参加することにしました。

今回は、マギル大学で行われた性暴力アクティビー “Sexual Assault Awareness Week”について書こうと思います。

ついこの間、工学部(Engineer building)の建物の中を歩いていたら、こんなものを見つけました。

私は参加することができませんでしたが、家に帰って調べてみると…

これは、”The Sexual Assault Center of McGill’s Student Society (SACOMSS)”:マギル大学生が運営しているボランティア団体が企画したもので、彼らの活動目的は主に性暴力の被害にあった人たちのサポート、弁護(Advocacy)、そしてアウトリーチングをすることです。

http://www.sacomss.org/wp/

(興味がある人は是非、このリンクにとんでみてください!)

そして、このSexual Assault Awareness Week活動の目的は、“マギル大学内外での性暴力に対する認識を広めよう”

ということでした。日程によって、ワークショップやゲストスピーカー、インフォメーションセッションなど様々なアクティビーが用意されていました。また夜には性暴力に関連したパフォーマンスや絵画展もあったようです。

(このイベントのスクリーンショット:https://www.facebook.com/events/1873166086231748/

この活動が今年は特に重要だったように思います。

なぜならば、マギルでは2月に生徒会で役職のある人による数々の性的暴力が発覚し、辞職したからです。通常、性暴力を理由に辞職した人はあまり理由を公表することなく去っていきます。

しかし今回は、被害に遭われた人々が立ち上がり、Community Disclosures Networkを設立し、彼の辞任を生徒会に打診し、そして辞任に伴い彼の行った行為を公開しました。彼の行動を表に公開することで、もっと安全なコミュニティーになって欲しいとの目的があったようです。

そのため、彼の辞職、そして辞職理由が性暴力(sexual violence)であったことは、私たち生徒にもメールで送られてきたほどでした。

(内容:彼は、役職につく以前そしてついてからも、複数の人々に対し本人の同意なくセックスを行っていたようです。最初は相手が”No”と言ったら理解したような対応をしていましたが、行為が進むにつれ、何度も聞き直し、結局相手の方が”Yes”と言わざるをえないような状況に持っていったようです。そのような行為が何度も行われ、人々をuncomfortableにさせている彼が大学内の権力あるポジションについていることに対して不快感を示し、辞任してほしいとの声が上がったようです。

記事はこちら↓

http://www.mcgilldaily.com/2017/02/ssmu-vp-external-resigns-amid-allegations-of-sexual-violence/ )

残念ながら、SACOMSSが活動を行っているにもかかわらず、このように被害にあっている人々もいます。

しかし、カナダの大学では、このような“awareness/認識を広める”活動が盛んに行われています。サポートシステムがあることが生徒の間での共通認識になり、オープンに話せる環境が整う、そして何か起こった時にどこに助けを求めればいいか知っていることがこのような活動の利点だと思います。

そうした結果が、声をあげて何か行動を起こそうといった”Community Disclosures Network”の設立、そしてセクシャルバイオレンスの認識を広め、彼の辞職につながりました。今回の件で、声を上げることの重要性が証明されたように思います。

今回はこのくらいで。

これからよろしくお願いします!

リリ

#海外からの視点

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